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はじめての刑事司法の論点~捜査から出所~更生まで

【記事紹介】「コレワーク九州」始動

 これまで「埼玉」「大阪」の2か所だったコレワークが、7月1日に新たに6か所で開設され、全国8か所に拡大した。

  1. コレワーク北海道(札幌市)
  2. コレワーク東北 (仙台市
  3. コレワーク関東 (さいたま市
  4. コレワーク中部 (名古屋市
  5. コレワーク近畿 (大阪市
  6. コレワーク中国 (広島市
  7. コレワーク四国 (高松市
  8. コレワーク九州 (福岡市)

 

そのうちこの記事は「コレワーク九州」を紹介するものです。

 九州・沖縄の刑務所や少年院などの受刑者らと就職先の企業をつなぐ法務省の就労支援拠点「コレワーク九州」(矯正就労支援情報センター)が1日、福岡市東区の福岡矯正管区で業務を始めた。全国の受刑者が持つ資格や経歴の情報を一元化したデータから、企業側が求める人材を検索して紹介する“仲介”業務を行い、就職率をアップさせて再犯防止を図るのが狙いだ。

 人材不足の中、出所者を雇いたいという企業側は刑事施設にどんな人材がいるのか把握できず、採用活動は難しかった。刑務所側も満期出所者や遠隔地に就職を希望する人の支援が十分できていなかった。

 コレワークは、受刑者のうち半年以内に出所予定で就労意欲があるといった条件を満たす約2千人の情報を収集。企業側からは希望する人材を聞き取り、該当する人を紹介、スムーズに採用につなげる。面接の日程を調整し相談会を開催するなどして、不安を抱える企業側の負担軽減も図る。

 コレワークは2016年に東日本(埼玉)と西日本(大阪)で業務を開始。今年3月末までに企業側から3881件の依頼を受け、内定は653件。九州・沖縄では319件の相談があり、55件の内定が出た。利用する企業が増加し、本年度から福岡のほか札幌や名古屋など全国計8カ所に拡大した。コレワーク九州には非常勤のキャリアコンサルタントを含め4人が勤務する。

 福岡矯正管区によると、全国で18年に再犯で刑事施設に入所した人のうち7割が無職だった。担当者は「無職の人の再犯率は高く、就労支援は再犯防止につながる」と強調する。

 越前敏明・同管区長は「刑務所や少年院を出た人は労働力の宝庫と期待されている。社会に必要な労働力として長く定着できるようにすることが目標だ」と語った。 (長松院ゆりか)

 

 [出典]

西日本新聞、長松院ゆりか、2020/7/2 6:00

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