日本では今年二人の著名人の自殺が大きく取り上げられました。
ひとりはTVに出たことによる誹謗中傷に苦しんだ人として、
もう一人はなにに苦しんでいたかわからない人として、
それぞれ違う理由ではありながら大きく話題になっています。
ただ、特に著名人の自殺報道のあり方は、その都度批判されてきています。
視聴率やアクセス数を稼ぐための材料として利用していることへの批判であり、
その結果、自殺が誘発されているという危機感からです。
自殺報道ガイドラインとは
その中で「自殺報道」、どのように自殺というニュースを取り上げる時の注意点をWHOが「自殺報道ガイドライン」として、定めています。
それについて、荻上チキさんが簡単に解説してくれています。
簡単に言うとガイドラインには、「やってはいけないこと」と「推奨されるべきこと」を定めています。
そして、そうしたことに反する報道は、「ウェルテル効果」として、自殺にいざなわれてしまうという実証的に確認されている効果として、自殺者数が増加してしまうので、そうしたことを防ごう、というものです。
日本のメディアではこれが守られていないので、心配ですね。
ここで、私が気になって調べた情報を2つ残します。
1.ガイドラインの内容
ガイドライン自体はちょっと長いので(自殺誘発の科学的根拠など29ページにわたります!)、かいつまんで。
https://www.mhlw.go.jp/content/000526937.pdf
「やるべきこと」
①支援に対する情報提供をする!
②自殺と自殺対策についての正しい情報を伝え啓発する!
③日々のストレスに対する対処法や支援を受ける方法について報道する!
④有名人の自殺を報道する際には、特に注意する!
⑤遺族やその友人にインタビューをする時は、慎重を期する!
⑥メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識する!
「やってはいけないこと」
➊自殺の報道記事を目立つようにしないし、過度に繰り返さない!
➋自殺をセンセーショナルに表現する言葉、逆によくある普通のこととみなす言葉を使わない!、前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しない!
➌手段について明確に表現しない!
➍現場や場所の詳細を伝えない!
➎センセーショナルな見出しを使わないこと(➊と➋の繰り返しな気がする)
➏写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いない!
少しスリム化するとこんな感じですね。
報道する側じゃない我々としては、これに反する報道について違和感を持っていることが大事だと思います。
自分が自殺当事者になるときでも少し客観的に見れるといいんだと思います。
社会のため、というよりあくまで自分のために。
2.相談窓口
セッション22という、これも荻上チキさんがパーソナリティーのラジオのサイトから。
これについて、もう何回か聞いて残しておきたいですが、
そのサイトで紹介されている、相談窓口を。
「よりそいホットライン」
生活苦、心の悩み、暴力被害など、さまざまな悩みに24時間・無料で電話相談できます。外国語での対応もしています。
電話番号:0120‐279‐338
「いのちとくらしの相談ナビ」
こちらはNPO法人「自殺対策支援センター・ライフリンク」が運営する、生きる支援の総合検索サイトです。相談窓口を検索するサイト、という位置づけで情報提供をしています。
「NPO法人 東京メンタルヘルス・スクエア」の主要SNS相談
LINE、Twitter、Facebook 及びウェブチャットから、年齢・性別を問わず相談に応じてくれます。 必要に応じて対面相談・電話相談などにも対応しています。時間は毎日、正午から午後4時までと、午後5時から午後9時までとなっています。受付はそれぞれ終了の1時間前まで。
ふと、ネット を見れない人はどうやってたどり着くのかね、悩んでいる人はこういうサイトにアクセスしてくれるかな、と思いました。
支援の工夫はまだまだできる気がします。