ケイロン!

はじめての刑事司法の論点~捜査から出所~更生まで

【記事紹介】通信制高校と連携で少年院在院者の就学支援検討

 少年院に入る人たちを学校への編入できるようにすることで、社会復帰への道を開く制度が検討されているとのこと。

 更生への方法として、少年院や刑務所による「施設内処遇」と、社会の中から更生を目指す「社会内処遇」があるが、より効果が高いとされる社会内処遇の一環として、このような少年院と通信制高校の連携は、今後の進展と効果について注目しています。

 少年院に入る少年たちを高校卒業につなげるため、法務省は25日、少年院と広域通信制高校との連携を強化し、少年院在院者の編入学などの支援策を議論する検討会の初会合を開いた。今秋をめどに具体策をとりまとめ、来年度から一部少年院でのモデル事業実施を目指す。

 初会合で義家弘介副法相は、高校教育で非行から立ち直った自身の経験を踏まえ「過ちや重荷を抱えて少年院にたどり着いた少年少女に、教育を通じて成長できる居場所と夢を与えたい」と述べた。検討会は、広域通信制高校の校長や少年院の院長、文部科学省幹部らで構成。少年院に入ったまま通信制高校編入学し、出た後も継続して在籍できる仕組みをはじめ、少年院で受けた矯正教育を通信制高校の単位として認定する制度などが論点となる。

 法務省によると、2018年中に全国51カ所の少年院に入所した計2108人は、高校中退が862人(40・9%)▽高校在学が376人(17・8%)▽中学卒業が533人(25・3%)――など。一方、同年中に出院した計2156人のうち295人(13・7%)は、進学を希望したものの行き先が決まらなかったという。【国本愛】

 [出典]

毎日新聞、国本愛、2020年6月25日 20時20分

mainichi.jp