ケイロン!

はじめての刑事司法の論点~捜査から出所~更生まで

【体感治安2023】博多駅前の女性刺殺

1月16日、福岡市のJR博多駅前で女性が刺殺された事件で、警察は、元交際相手の男を殺人の疑いで逮捕しました。

 

16日の事件の時は何者かに女性が刺殺された、というもので通り魔なのか何なのか分からない状況でしたが、

徐々に犯人が分かり、18日に元交際相手という男が逮捕されました(名前はあえて伏せます)。

 

この段階では犯人とされる男の顔写真が広まり、被害者女性の顔写真も広まっています。

 

 

記事の紹介

記事の数もこんなに。

犯人の男の写真もあってか次々と記事にされていきました。

博多駅 刺殺」の検索結果

 

 

 

 

[出典]

九州朝日放送、記者不明、1/18(水) 19:00配信

news.yahoo.co.jp

 

【記事紹介】再犯防止へ 美祢市の刑務所で新たな教育プログラム

山口県美祢市の刑務所で新しい教育プログラムが始まったというニュース。

 

2022年9月に始まったもので、

全国の26歳以下の若い女性受刑者で、

初犯など犯罪傾向が進んでいない人が対象とのこと。

 

刑務作業を減らし、改善指導に重点を置くというもの。

 

色々な取り組みをしているんですね。

 

 

[出典]

NHK山口、記者不明、2022年11月16日 18時49分

www3.nhk.or.jp

 

【記事紹介】少年院でIT講座

宮城県にある東北少年院が始めた新たな取り組み、職業訓練としてIT教育を始めたという記事。

 

この取り組みに協力したっぽい非行少年の社会復帰を支援するNPO法人「クラージュ」理事長の田路至弘弁護士も手ごたえがあると。

 

若いころから色々やって自信を持てるものに出会えるといいですね。

 

 

[出典]

ABEMAヒルズ、記者不明、2022/11/08 10:48

nordot.app

 

【interest】イタリア憲法第27条「刑罰は再教育を目的」

どうもおひさしぶりです。

この前オンラインの公開シンポジウム「イタリアの実践から日本の少年司法について考える」に参加してきまして、イタリアの矯正行政の状況などを専門家のかたのお話を聞いてとても良い時間を過ごしてきました。

 

色々と面白い話があったのですが、その中でイタリア憲法の第27条についてちょっと気になったので、

そこをまとめた上でご紹介したいと思います。

 

1.イタリア憲法とは

正式には、「イタリア共和国憲法(Costituzione della Repubblica Italiana)」といい、

1948年1月1日に施行。

憲法改正は15回行っている(2014年3月現在)。*1

改正の特徴としては、統治制度に関するものが多いことがあるが、男女平等の促進のためのものもある。

 

2.第27条とは

「①刑事責任は個人に属する。
 ②被告人は確定判決まで、有罪と見なされない。
 ③刑罰は、人道主義に反する措置であってはならず、受刑者の再教育を目的とすべきである。
 ④死刑は、認められない。」

※番号・太字は筆者加筆

 

この中で、興味を持ったのは③です。

憲法で明確に、「刑罰は再教育を目的」と明示しているんですね。

 

ちなみ日本国憲法に「刑罰の目的」を明示した規定はなく、その上刑法にも刑罰の目的の記載はないんですね。

なぜ刑罰を科してよいのか、という古くからある議論で、応報刑論と目的刑論(予防効果、教育効果など)の対立がありますが、

イタリアは目的刑論を採る、いうことを明示しているということでしょうか。

 

シンポジウムの中でも、この③が憲法に明示していることから進んでいる政策もあるようで、

犯罪者への処遇についてはいろいろ議論があるところですが(快適すぎる刑務所など)、将来的に再犯予防の効果が広く知れ渡っていけば、日本でもそういった憲法改正の必要性も含め、議論されていくかもしれないですね。

 

3.そのほか

この③の「刑罰は再教育が目的」の部分はイタリア憲法ができたころからあるようで、歴史が長いですね。

今回は、イタリアの受刑者に対する詳細な再教育の制度については触れられないですが、

日本よりかなり進んでいる印象でした。

 

ちなみに、④の死刑に関する条文は、2007年に改正があって現在のようになっているようです。

改正前:死刑は、戦時軍法で定める場合を除いて、認められない

改正後:死刑は、認められない

 

例外をなくして禁止にしたので、死刑は絶対ダメ、にしたようですね。

まぁ、これはついでの話です。

 

それではまた!

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龍谷大学シンポジウム2022-0330



【記事紹介】出所者の再犯防止へ相談カード

 北海道が、刑務所を出所した人に「緊急相談カード」を配布したという記事です。

 そのとき食べるものがない、や住む場所がない、など困った内容を整理し、それを元に行政に相談してもらおう、というのが狙いのようです。

 

 どの程度効果があるのか不明ですが、出所者への支援が必要という認識から対策が考えられていることが重要なんだろうと思いました。

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【コトバ】自殺報道ガイドライン

 日本では今年二人の著名人の自殺が大きく取り上げられました。

 

 ひとりはTVに出たことによる誹謗中傷に苦しんだ人として、

もう一人はなにに苦しんでいたかわからない人として、

それぞれ違う理由ではありながら大きく話題になっています。

 

 ただ、特に著名人の自殺報道のあり方は、その都度批判されてきています。

視聴率やアクセス数を稼ぐための材料として利用していることへの批判であり、

その結果、自殺が誘発されているという危機感からです。

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【記事紹介】再犯防止目指すNPOの取り組み〈マザーハウス〉

 刑務所を出所した人を支援するNPO法人マザーハウス」の活動とコロナ禍での現状についての記事があげられていた。

 コロナの影響は社会福祉のあらゆる現場に与えているのだと思う。そんな状況でも生きていかなくてはいけないし、支援する側もいつにも増して悩みがあるのだと思う。

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